ZOZOSUITに見えたZOZOTOWNの野望
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Follow @SoYaNoNikkeyこんにちは、Soyaです。
先日たまたまツイッターで見かけたのですが、
ファッションECサービス「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイが自社ブランドの「ZOZO」の立ち上げに合わせて「ZOZOSUIT」なるものをリリースしました。
発表自体は昨年の11月からされていたようですが、昨日その発送が開始したようです。
どんな服よりも最高にクールなファッションアイテムは筋肉だという持論で生きているくらい服には無頓着なのですが、それにしてもこれはすごいサービスだと思いました。
ZOZOSUITとは
ECというのは、店に赴かなくても買い物ができるという便利さがある反面、
実物を手に取ってみることができないという欠点があり、
特にZOZOTOWNのようなファッションECでは試着できないというのがお客にとって非常に困ってしまうポイントです。返品可能とはいえどもその作業が面倒くさいです。
それを解決しようというのがZOZOSUITです。
ZOZOSUITは伸縮センサーを搭載したボディースーツで、ZOZOSUITを着てスマートフォンで写真を撮ると瞬時に自分の体の細かい採寸をすることができます。
このデータをもとに、オーダーメイド感覚で服を購入することができます。
↓ZOZOSUIT公式ページ
これだけでももうすごいのだが、僕が本当にすごいと思ったのはここからです。
ZOZOTOWNの野望
このZOZOSUIT、今なら送料の216円のみで入手することができます。
このスーツはニュージーランドのStretchSenseというスタートアップと共同で開発したものであり、本当なら何千円ととらないと赤字になります。
しかも今の時点では無料配布の枚数の上限は提示されていません。
なぜそんなことができるのでしょう。
テクノロジーにより店舗によるオーダーメイドすら上回った
普通のオーダーメイドというのは時間とコストがかかります。あたりまえですが採寸には時間がかかりますし、普通の服を買うよりも割高になります。
しかし、センサー技術を用いることによって消費者の時間とコストを抑えることができました。何なら1万5000個のセンサーを搭載しているZOZOSUITの方が採寸のクオリティーが高いかもしれません。
Tシャツの値段も1200円と抑えめの値段です。
このように実店舗にいくよりも便利でクオリティの高い服が買えるのだから、どう考えても利用されるでしょう。
データを用いたプラットフォーム化
ZOZOSUITの無料配布と引き換えにZOZOTOWNが入手できるのは顧客の身体データです。
様々な事例を見ればわかりますが、ビッグデータはその情報を適切に解析すれば価値を生みます。実際にスタートトゥデイではこの人体データを有効に活用できるパートナーを集めようとしているようです。
まさにアパレル業界におけるGoogleを目指しているといったところ。
アパレル企業からテクノロジー企業になるのでは
さらにスタートトゥデイでは、ファッションを科学的に解明するプロジェクトチーム「スタートトゥデイ研究所」も発足させています。
ここでは蓄積された衣服やユーザー、コーディネートなどの膨大なデータをもとに、
「ファッションの数値化」を目的としているようです。
いままでセンスで語られることの多かったファッションというのをデータを元にサイエンスで語ろうという目的で設立されました。
もう服を取り扱うアパレル企業からデータを取り扱うテクノロジー企業に変化したかのようです。
ここでふと思い出したのですが、落合陽一さんの「日本再興戦略」の中でこのようなことが書かれていました。
今までの近代というマス世界=「1対N」の世界から、現代という多様世界=「N対N」の世界になると、「技術をオープンソース化していくこと」と「それをパーソナライズしていくこと」が一番のキーワードになります。そして、パーソナライズを支えるベーシックテクノロジーは何かというと、AIやコンピューターサイエンスと呼ばれるような、統計的に処理ができて、コストがほぼゼロでコピーできる情報処理だと僕は思っています。
つまりビッグデータを用いて服をパーソナライズしていくという形が、落合さんの考えていることとつながっています。
「日本再興戦略」を読み終えた直後にこのニュースをみつけたのでびびっと来てしまいました。
ということでこのZOZOSUITという製品を通して、様々な業種においてテクノロジーを利用して個人へと最適化させていくことの必要性とその具体例を知ることができました。
ちなみに今予約しても手元に届くまで8か月を越えてしまうのではないかとのことです。